戦略的アウトソーシング
/ Strategic Outsourcing

これから起こりうる総務機能崩壊に備える
「戦略的アウトソーシング」という取り組み

2017年より世界経済は回復の兆しを見せ始め、先進諸国の金融政策は正常化しつつあります。イギリスのEU離脱や、北朝鮮問題など、不安定要素は依然として存在するものの、AI、IoTなどの新たな技術・サービス革新によって企業は大きな転換期を迎え、決断を迫られています。日本においては少子高齢化の加速で労働力不足が懸念され、働き方改革においてワークスタイルが大きく変化しようとしています。このような状況下において日本企業のバックオフィス、総務機能はどのような方向性に向かうべきなのかを提言します。

  • 総務部門における従来の取り組みと成果

    • 総務部門の特徴は、どこにも属さない業務に対応していたり、どこに聞けばよいのか分からないことなどの問合せ・相談を受けたりと、総務としての業務が明確に定義しづらいということが挙げられます。特に各拠点に配置している総務部門のスタッフは、総務系に加え、人事・経理系の業務も含めて対応することが多いことから、各拠点・人ごとに同じ業務の仕方が異なる、いわゆる属人化も進んでおり、総務部門自体も自らの業務が何であるかを完全に理解しているわけではない状況が見られます。

      これまでの総務における取り組みは下記にて示しますが、施設管理におけるアウトソーシング等で一定の効率化が進み、さらにシェアードサービスという手法を活用することにより、従業員を顧客としてとらえ、業務をサービスとして提供する意識改革も一定の成果を得ました。

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  • 顕在化している課題

    • 総務機能の現在の課題は、施設管理のアウトソーシング等を進めた一方、財務経理・人事機能と異なり統合管理システム(情報の一元化)の導入がなかったこと、一見現地現物業務が多いようにとらえられたこともあり、包括的な業務の標準化・集約化が進んでおらず、あらためて全体最適・集中集約・最適配置の観点での改善が必要な状態であるとジェネラル・サービシーズでは認識しています。

      なお総務機能の課題は、全体最適、集中集約化、最適配置の視点から捉えることができます。

      • ① 全体最適の視点から

        • ・総務機能として、何をすべきかが不明瞭である
        • ・本社総務/シェアードの総務/本社ビル、工場、研究所等の拠点総務と重層化した組織において、各拠点の効率性を重視し規程や社内ルールと異なるサービスを実施している
        • ・重層化した組織においては、業務の重複化、中間層に位置する組織が情報の受け渡しのみを実施する”中継業務”を実施しているケースが散見される
      • ② 集中集約化の視点から

        • ・各拠点に分散している業務については、十分に集中集約化が進んでいない
        • ・総務部門が管理する“モノ=ファシリティ”に関する情報の持ち方が統一・集中化されていない
      • ③ 最適配置の視点から

        • ・各拠点においては、業務内容・工数は把握できているものの、現在の人員数が最適かどうか不明である
        • ・拠点ごとに委託先がバラバラで、統一されていない。またサービス内容にばらつきがある
  • 今後起こりうるのは機能崩壊

    • 総務機能としては上記のような課題が見られますが、一方、バックオフィス全般に「社員の高齢化」という大きな課題があります。バックオフィス部門の平均年齢が50歳というのはもはや珍しいものではなく、今後10年先を見据えるとそもそも業務を担える人材が不足する事態となり、機能そのものを維持することが困難になりかねない状態にあります。

      社員の高齢化は総務部門でも進んでおり、すでに深刻な問題を起こしつつあります。総務機能は設備・清掃・警備など多くの業務を早い段階から委託し、その管理をおこなってきましたが、そのベンダーを管理していた人材が高齢化するに従い、そもそも委託費が正しいのか、どの業務をどういった品質でおこなってもらうのかが分からなくなってきているのです。特に拠点ごとにばらばらに委託しがちであること、固定の人材が長い間委託先を管理していることから属人化が進んでいることが多々あります。委託先を管理していた人材が退職すると、担当業務だけでなく、委託業務についても品質・価格面等をコントロールしていくことが困難になるという構造にあるのです。

      また日本においては地震、台風など、非常時における迅速な対応が求められることが多く、様々な状況に対しても迅速に対応できる組織・人員が必要です。高齢化により非常時だけでなく、平常時も十分な対応が図れず、事業を継続していく上では致命傷になりかねません。今まだ社員がいる間に継続的に機能を維持・向上するための体制へのシフトが必要なのです。

  • GSIが提案する総務改革「戦略的アウトソーシング」とは

    • ジェネラル・サービシーズではこの事業課題を解決するために、「戦略的アウトソーシング」のサービスを展開しています。

      実施業務を環境変化に対応した業務(付加価値業務)と定常状態を維持する業務(機能維持業務)とに分けて捉えたとき、社員は主に付加価値業務をおこなう一方、機能維持業務についてはアウトソーシングすることによって、これからの大量退職に備えるべきと考えます。

      総務における付加価値業務とは、ハード面ではCRE戦略、ファシリティマネジメント、ソフト面ではインナーブランディング、リスクマネジメント、戦略的CSRが主に挙げられます。

      機能維持業務(=アウトソーシング対象)については、ただ単に人員が減るごとにアウトソーシングするのでは部分最適となってしまい、かつ少数の社員によって各拠点を管理することは難しくなります。そのため、アウトソーシングを進める際は、これまでの拠点単位の管理から、中央で一元管理する体制へ移行することが重要な点です。そのためにはすでにアウトソーシングしている施設管理業務も含め、機能維持業務の運用と運営を、1社のアウトソーシングパートナーへ包括的に委託することが望ましいと考えます。これを当社では、「戦略的アウトソーシング」と呼んでいます。

      戦略的アウトソーシングにおいては、機能維持業務に対して下記に示すオペレーションの実現を図ります。

      • ・顧客起点のオペレーション
      • ・事業強化・拡大に資する提案と実行
      • ・コンプライアンス強化
      • ・総務・人事の機能維持業務のオペレーション管理、継続的な改善
      • ・デジタルテクノロジーの活用による精度向上・コスト削減
      • ・高い専門性による品質管理・コストの適正化

      また、委託先業務を包括的に管理する「運営」機能を戦略的アウトソーシングパートナーが担うことで、「委託先」・「契約」の一元化だけではなく、「業務」・「情報」の一元化を実現し、集中管理できる仕組みの構築が可能となります。もちろんクライアントごとの環境が異なるため、異なる環境に合わせた仕組みの構築をすることが、統括運営業務委託をスムーズに導入するための鍵です。

  • 戦略的アウトソーシングパートナーに求められること

      このように戦略的アウトソーシングとは、施設管理業務のみではなく、社員業務も含めた維持業務のアウトソーシングです。また、拠点ごとの総務は総務機能だけでなく人事・経理系も含んでいることが多く、戦略的アウトソーシングを検討する場合は、委託しようとしている先(戦略的アウトソーシングパートナー)のケイパビリティを確認する必要があります。

      戦略的アウトソーシングパートナーとして必要な要件は主に下記と考えます。

      • 1.バックオフィス・シェアードサービスセンター(SSC)・総務・ファシリティマネジメント(FM)業務における業界のベストプラクティスの知識・知見を有し、業務を継続的に改善していける仕組みの構築が可能であること。
      • 2.顧客の戦略と目標、優先事項を理解したうえでKPIを設定し、全国の拠点を一元的に管理する体制の構築が可能であること。
      • 3.要求に応じて幅広いサービスを提供できること。
      • 4.スケールメリットを生かし非常時において人材・物資の投下と現場での復旧対応を行うことにより事業継続性に貢献できること。

      ジェネラル・サービシーズはバックオフィスの改善改革、シェアードサービスの設立・改革について大手企業に提供した豊富な知識と経験を有しており、かつ総務改革・施設管理(ファシリティ領域)においてもサービスを提供している唯一のコンサルティングファームです。クライアントごとの状況に応じて、将来にわたり維持向上する総務機能の改革に取り組みます。